第9回 ここまでの文化をまとめよう

 

飛鳥時代に栄えたのが、飛鳥文化です。そして、奈良時代には、天平文化が栄えました。それぞれの代表作と特徴を話しましょう。

 

[特徴・代表作] 

飛鳥文化

仏教を中心とした文化で、中国やインド、ギリシャの影響が見られる。

渡来人の子孫が大きな役割をはたした

代表作

法隆寺(奈良県)=現存する世界で最も古い木造建築

釈迦三尊像(法隆寺)

玉虫厨子(法隆寺)=金具の下に玉虫の羽をならべてある

玉虫って、角度を変えて見ると、いろいろな色に輝く虫だよ

 

天平文化

仏教を中心とした文化で、唐や世界各地の文化の影響を受けている

平城京の貴族の間で広まる

代表作

東大寺・大仏・正倉院

唐招提寺=中国から渡ってきた僧「鑑真」が建てた律宗の寺

古事記・日本書紀=歴史書 日本を造った神から初期の天皇までの歴史

風土記 =諸国の地理・産物などが書かれている

万葉集 =万葉がなを使って書かれた和歌集

万葉がな=日本語の読み方で表した漢字  例)「阿」を「あ」と読む

平安時代の「かな文字」は今の「ひらがな」です。

「万葉がな」はあくまでも「漢字」です。

 

つまり、聖徳太子の頃から、奈良時代にかけては、仏教中心の文化だったってこと。また、シルクロードを通ってきたヨーロッパなどの文化が、遣隋使・遣唐使たちによって、日本国内に持ち込まれたことも、大きな特徴です。

 

この時代から、平安にかけて「和歌」というものがはやりました。代表的な歌人を覚えておくといいよ。次にあげるのは、万葉集に載っている人と和歌です。

 

東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ  柿本人麻呂

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る   額田王

田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける   山部赤人

春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山   持統天皇

 

他に、大伴家持、山上憶良、天智天皇等

「あれ、どこかで聞いたぞ」。そう、上の和歌は、国語の教科書に載っているはず。授業に参加してれば聞いていて当然です。

 

また、万葉集から古今和歌集(平安時代)にかけての和歌を覚えるなら、「百人一首」が手っ取り早いな。古文も得意になれるから、一石二鳥。(古文を読めない人は、百人一首を読むといいんだ。読み札と取り札両方をね。)

私が小さい頃、初めて覚えた百人一首は、

明けぬれば暮るるものとはしりながら なほうらめしき朝ぼらけかな

夜が明けて、また一日たてば日は暮れるのに、なんと恨めしい朝がきたことか。というような感じの歌。ちょっと意味は違うんだけど、「朝寝坊のお前にはちょうどいい歌だ」と言われて覚えたんだ。なんでもいいから、自分が気になった歌をひとつ覚えることから始めるといいよ。

 

☆☆ 今回の目標  百人一首の中からひとつ選んで覚えよう ☆☆